POPcorn

ネタバレなしで作品の良さを伝えます。

Green Book【男ふたりの吊り橋ロードムービー】

Green Bookを鑑賞しました。

まだ人種差別が色濃く残る1962年、黒人ピアニストが特に差別の強い地域でツアーを回る。

その用心棒を任された乱暴男とのロードムービーでした。

 

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事実に基づいたストーリーで、当時の黒人への差別がダイレクトに感じられます。

その中で、演奏されるピアノの美しさや街並みの美しさが際立ちます。

 

 
ここが好き
不器用な用心棒の心の変化が本筋です。
自ら逆境に飛び込む黒人ピアニスト、恵まれた人種として生まれた用心棒。
日本は島国で、まだまだ外来人種が少ないため、あまりピンと来ないかも知れません。
しかし、世界ではこのレベルの人種差別がのうのうと起こっていて、実は我々も差別される側の人間だということをあまり感じずに済んでいます。
歴史上激しい人種差別、特に黒人差別があったことを痛感する作品です。
その時代を耐え生き抜いた人々はとても強かったと、思います。
 
そもそもグリーンブックというのは、黒人が安全に旅行するためのガイドブック。
そんなものがあるということ、信じられますか?

2012

2012を鑑賞しました。

2012年12月21日にマヤ文明の暦が終わる、というのが世界の終わりと噂されていた時の話ですね。

シナリオアウトラインは「2012年に本当に世界が終わる」です。

2012年のマヤ暦終わる問題は言われてみたらあったなあというくらいには覚えています。

実際にはなにも起きませんでしたが、一世を風靡していたのは確かですね。

 

本作では実際にマヤ暦の終わりに合わせて色々あって人類が危機に陥ります。

地殻変動が起きて陸がなくなるので選ばれし人類をノアの方舟に乗せなきゃなあ、みたいな流れです。

 
ここが気になる
2012年問題を映画にしてみたってだけで、やってることは既存の映画でやり尽くされてきたことです。
方舟の件も特にユニークではなく、よくある話です。
物語が進行する道中もなんとも言えないCGをみながらなんとも言えない気持ちを噛み締めるだけで、驚きや発見は特になかったです。
2012年12月21日が来る前に見れたら面白かったかもしれません。
コロナで大変な情勢に重ね合わせてみてみたらどうでしょうか。
お暇な方は。

Captain America: The First Avenger

キャプテンアメリカを鑑賞しました。

今更というか、何度も見ている作品を今更。

クリスエヴァンス主演で、MCU作品の要となるキャプテンアメリカ:スティーブロジャースのストーリーです。

シナリオアウトラインは「いい人、最強ソルジャーになる」です。

 

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舞台は第二次大戦中。

ティーブロジャースは虚弱な身体の青年で、それでも国のために戦いたいという思いを持って軍への入隊試験を何度も受けますが、病弱ゆえに合格できません。それでも身分を偽り何度も入隊希望を出しては不合格になります。

その裏で大戦に勝利するため、アメリカでは「スーパーソルジャー計画」が進められていました。軍からひとり、肉体強化血清を投与する兵士を選ばれます。

ある日、たまたまその血清を開発した博士に正義感と愛国精神を見初められ、見事入隊を果たすのです。

無事血清投与の対象者に選ばれ肉体を強化されたスティーブはキャプテンアメリカとしての人生を歩み始めます。

 

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公開当初(2011年)はアクションシーンはあるもののアイアンマンやスパイダーマンに比べると地味な作品だなあという印象でした。

だって、普通よりちょっと丈夫でムキムキなひとが戦争する映画(極端)ですから。

しかし、スティーブは今後MCUシリーズでストーリーの要になっていく人物で、そのルーツが分かる今作はまるでドキュメンタリーを見ているような気持ちで鑑賞できました。

あの有名なキャプテンアメリカは昔こうだった、みたいな。

 

ここが好き
アメリカを守りたくてしょうがないスティーブですが、今後アメリカどころか地球や宇宙を命がけで守っていく、そんな青年のパーソナリティに迫る、そんなドキュメンタリーです。
病弱でいじめられていたからか捻くれた性格や言動をしていますが、それはパワーアップしてからも同じです。
そのギャップも面白いし、ヒーロー代表としての立ち振る舞いや正義感も見習いたいところです。
 
今更キャプテンアメリカを初心で見られるのはとても羨ましい事です。
ぜひ彼の成長を見てください。

TENET

TENETを鑑賞しました。

クリスロファーノーラン監督最新作で、「超難解」として話題になっています。

インセプションよろしく新しい映像表現で描く「時間逆行」の物語です。

 

タイムマシンやタイムリープものは往年の擦られ尽くしたテーマですが、

本作は条件を満たした人物だけ時間に逆行して生きていくことができるという難しい設定です。

簡単に言うと、タイムトラベルは点と点を移動しますが、本作の時間逆行は線の上を折り返して移動していく形で、必然的にその折り返し地点に向かってくる自分を逆再生で見つつ並走することになります。

 

走れば風が背中にあたり、炎に触れれば凍り、氷に触れれば熱くなる。

こんな設定だけでも混乱しますが、それが巧みに映像編集されており、見事に何がなんだか分からなくなります。

特に時間を順行している人物と逆行している人物が戦う場面が複雑さを極めており、

さらには順行している人が逆行してる武器を持っていたり?!?!という始末。

初見で理解するのは不可能なのではないでしょうか。

 

ここが好き
主人公とロバートパティンソンの関係性です。
最初から謎に包まれているロバートですが、次第に関係性が見えてきます。
世の中ではあんな噂やこんな噂も立っていますし、何にせよ切ない関係性であることは確かです。
映像美もさる事ながら、この設定を巧みに使ったストーリーも何回かつ感動的に仕上がっており、
難解という点を除いても何度も見たくなる作品です。
 
このご時世、映画館でしか見られない今作は鑑賞を強く勧められないですが、
間違いなく見て損はないです!
でも人によっては難解すぎてムカつくみたいです笑
鑑賞後のネタバレ解説動画なんかを見るのも乙な時間です。
この装置が開発されたら自分は何をするかとか考えるのもいいですね。
 
感染症対策をばっちりして見に行って見て下さい。

 

プロジェクト・パワー

NETFLIXオリジナル、プロジェクト・パワーを鑑賞しました。

てっきりドラマ作品だと思ったらあまりに長くて映画だと知りました。

 

シナリオアウトラインは「スーパーパワーガチャでバトル」です。

 

結構なキャストで描く「スーパーパワーを誰でも薬で得られるようになった世界」です。

カプセル状の装置を飲み込むと5分だけ自分に特有のパワーを得られる(もしくは才能がなかったら爆発して死ぬ)というスーパーパワーガチャを駆使して悪と戦うレヴィット警部と、パワーカプセル開発のモルモットになり、かつ、その影響で授かったずっとスーパーな娘をさらわれたジェイミー、売人少女Aの愉快痛快な物語です。

CGもしっかりしてて見応えがあり、着想も面白いので○です。

 

ここが好き
一昔前のHEROSと同じで、スーパーパワーがあんまり珍しくない世界なので、あくまでそういう世界で人々がどう立ち回るかを描いています。
もちろん、その力を犯罪に使うものも多く、レヴィットはその犯罪者に生身で立ち向かうのは不可能と割り切って自分もその力に頼ります。
ただ、上映時間の割に話は小さく纏っちゃってて、もっと面白い話にもできたんじゃないかなと思ってしまいます。
能力も謎に動物を由来にしているみたいなチャチな設定が出てきたり、
ほう…という仕上がりです。
 
でも面白くはなっていると思うので、
暇な平日の昼下がりに流し見してみてください。

MEG

MEGを鑑賞しました。

アメリカと中国の合作で、全体的にパシフィック・リム感のある仕上がりです。

ジェイソンステイサム主演で、ヒロインの中国人との謎のロマンスを織り交ぜられています。

シナリオアウトラインは「メガロドンを捕まえたい」です。

 

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ジョーズ以外のサメ映画が最高級の仕上がりになることは今後無いような気もしますが

今作もなんとも不必要な要素が入っているせいかB級娯楽映画にとどまっています。

CGだけはハリウッド級なので、でっかいリアルなサメを見たい方はぜひ。

 

ここが気になる
ジェイソンステイサムがかっこいい映画、サメがかっこいい映画なのですが、そこ止まりで、
ヒロインとのロマンスを謎に絡めたせいで話がブレるし、中国合作のせいで不自然にアジア人が多いし、シナリオの起承転結がイマイチで、目的性にもかけます。
ですが、ジェイソンとサメ見たさに最後まで見ることはできます。
 
ただ、クソでかザメはシンプルにロマンがあり、
思わずメガロドンに関してあれこれ調べてしまいました。

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古代に生息していたすっごくでかいサメで、

20m近くあったと推定されているようです。

実際は歯が見つかって、相対的にサイズ予想してるみたいですね。

私は海は見るのは好きなのですが、入って泳ぐのは得意ではなく、

ただでさえクラゲとか海蛇とかいるのに、こんなのがいたとか、もしかしたら今もいるとか考えたら海水浴はできませんね。

 

世の中にサメ映画好きの皆さんは見るべき一品です。

夏もそろそろ終わりですね。

ぜひ。

 

Once Upon a Time in Hollywood

Once upon a time in Holliwoodを鑑賞しました。

この作品での演技でブラピが2019年の助演男優賞を獲得しました。

 

私は全くの予備知識なしで鑑賞してしまったのですが、

ヒッピーとマンソンによって引き起こされたシャロン・テートの事件を知らない場合、

事件に関することだけお勉強してから見たほうが確実に楽しめます。

 

物語の大部分は落ちぶれたハリウッド俳優とそのスタントダブルの関係性を描くのに費やされています。

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セルジオ・レオーネ監督のOnce upon a time in Amrticaからタイトルをもじったと言われているOnce upon a time 〜から分かるように、上記の事件を元にしたファンタジーで、

実在のシャロンテートと実在しないこの2人を軸にしたお話です。

 

シナリオアウトラインは「なかよしコンビが歴史を変える!」です。 

 

ここが好き
ディカプリオとブラピという時点で心配はしていなかったのですが、キャラクターたちはとても魅力的です。
しかし、正直予備知識なしで見始めた私は冒頭90分ほどを「???」という気持ちで見ていました。
ただ、肝心のシーンを見るためにこの日常のシーンは効果的で、心理的な土台を作ってくれます。
 
最後はタランティーノしています。
 
かなりの話題作なのでいうまでもありませんが、見ておいて損はないかと思います。
ただ、レビューを見ていると、おそらく予備知識のあるなしで受け取り方に差が出てしまうようなので、上記の事件だけ知っておくことをお勧めします。
 
日曜の昼にどうぞ。