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ネタバレなしで作品の良さを伝えます。

ザ・ウォーク

ザ・ウォークを鑑賞した。

嘘みたいな本当の話です。

ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演で実在した綱渡り師フィリップ・プティの人生を描いた作品です。

シナリオアウトラインは「ワールドトレードセンターで綱渡りする!」です。

ジョセフ・ゴードン=レヴィット大好きなので私得な映画でした。プレイボーイから刑事、病人、様々な役を演じ切る彼ですが、今回は劇中でフランス語をぺらぺらと喋っていました。そっちの血が流れているのか調べてもわかりませんでしたが、なんでもできますね、惚れます。

ストーリーはフィクションかと思うほどよくできており、綱渡りに人生をかけるという着眼点からして、さながらファンタジー作品のような仕上がりです。

それでも本当の本当に実在した人物の話というから驚きです。

 

フィリップの活躍をドキュメンタリーとしてまとめたマン・オン・ワイヤーという作品もあります。 

マン・オン・ワイヤー スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]

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彼がツインタワー間を綱渡りしている 写真はたくさん見つかるのですが、映像は見つかりません。

なんでも、警官が駆け付けたタイミングで撮影をストップさせられたらしく、映像資料は残っていないとのことです。

しかし、確認できる写真から推察するに、かなり忠実に再現された映画だと思われます。

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フィリップの生き方は奇妙すぎます。

綱渡りに魅せられる気持ちもわからないし、ワールドトレードセンターで綱渡りをしてやろう!という心理も理解不明です。

しかし、この作品を通して彼の芸術、そして美学が強く理解できます。

命を懸けて空を歩くという芸術を達成するためだけに生きたフィリップ。

ワールドトレードセンターの存在価値を塗り替えたフィリップ。

ぼんやりと見始めた映画でしたがかなり感動しました。

ここが好き
フィリップの人間性、これにつきます。
やり遂げる意思、リーダーシップ、行動力、達成力、どれも現代の若者に足りていないものです。彼は少し強引で時に自分勝手ですが、それでも自分の芯に沿って仲間を集め、計画を立て、自ら行動し、最後には成功させました。こんな風に生きることはおそらく出来ませんが、少しでもあやかりたいと思う人物です。
また、この映画には70年代当初の活気や希望に満ちた人々の感情が感じられます。
現代社会はモノにあふれ、簡単に生活に満足できるようになってしまいました。
当時はすべてが発展途上で頑張れば頑張るほど成果が出た時代です。信じられないような建物ができたり、発見がされたりしました。
そんな中で若者たちは自己表現をするために生きたのです…。
 
なんて、センチメンタルしてしまいましたが、とにかくいい作品でした。
テンポもいいので飽きずに見られます。
キーワードは「感謝」。
死んだ魚のような眼をしてツマラナイ仕事に従事するそこのサラリーマン!
この映画を見て生きるとは何か、を学ぶのだ!